第4話「我が子の進路に腹くくれますか?」 【ジュニアゴルファーの闇に迫るルポ『ありがとうの闇CASE2』】

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第4話「我が子の進路に腹くくれますか?」 【ジュニアゴルファーの闇に迫るルポ『ありがとうの闇CASE2』】

ジュニアゴルフと親子関係—厳しさと自主性の狭間で

 ジュニアゴルファーの取材を10年以上続ける中で、楽しんで始めたはずのゴルフが親の圧力や暴力によって苦痛となり、ゴルフを辞めるだけでなく、親子関係まで破綻してしまうケースを見てきた。スポーツにおける親子の関係はどうあるべきなのか、改めて考えたい。

 小浦和也の選択—親の影響と自立 小浦和也プロは、父親の厳しい指導を受けながら育った。だが単なるスパルタ教育ではなく、父は息子の状態をよく観察し、限界を超えないよう気を配っていたという。その結果、小浦は「このくそ親父、今に見てろ!」という反骨心を糧に成長していった。

 彼はもともとパイロットを目指していたが、ゴルフの道に進むことを決断するきっかけとなったのは、オーストラリアの天才少年の姿に衝撃を受けたことだった。父は「そんなに気になるなら見てこい」と送り出し、小浦は中学3年生ながら単身オーストラリアへ。トラブルに見舞われながらも自分で問題を解決し、帰国後、プロゴルファーの道を選んだ。

 親ができることは何か 小浦の父は、進学の選択もゴルフの道もすべて本人に委ねた。「和也の人生だから」と語るが、ただ放任していたわけではない。厳しさを持ちつつも、適切な距離感を保ち、子どもが納得できる選択を促していた。

 ジュニアスポーツにおいて、親の指導と自主性のバランスが問われる場面は多い。過度な干渉ではなく、子どもの意思を尊重しながらサポートすることこそが、真に「支える」ということなのかもしれない。親子で築く信頼関係が、スポーツの枠を超えて人生の礎となるのではないだろうか。

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