
実際に打ってみたところ、ストロークの「フィニッシュ」を先に決めた方が振り幅は安定しました。バックスイングの大きさやテンポに個人差があっても、「2メートルはここまでヘッドを出して終わり」といった振り幅の感覚で充分タッチが作れました。
大げさにいえば「10メートルは2メートルのバックスイングを5倍にする」と考えて打つ人はいないので、インパクトからフィニッシュをイメージできることが実践的。今までのパター練習器具になかった部分です。
また、パター練習器具にありがちな「真っすぐなヘッド軌道」に固執せず、タッチ(振り幅)に特化しているところも好感が持てました。
一般的な練習マットよりも距離感が養える
ただ難点もあります。タッチ(振り幅)での距離感作りの想定した練習グッズでありながら、「パッティングハイウェイ」はどれぐらいの速さのグリーンを想定しているのか、いまいちよく分かりませんでした。
個人的な感覚ですが、少なくとも9フィート以上の「速いグリーン」には非常に有効だと思いますが、夏場の遅いグリーンではショートしてしまうでしょう。
とはいえ「家でパット練習をする」のが目的なら、入れごろ外しごろのショートパット練習になるはずです。市販のパターマットで真っすぐ打つより、はるかに「距離感をイメージする」練習になると思います。
3000円以下で購入した格安のパター練習器具「パッティングハイウェイ」ですが、モチベーションアップやテーマに沿った練習ができるのでコスパはいいと感じました。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。