週刊ゴルフダイジェストやみんなのゴルフダイジェストで障害者ゴルフを取材してきたベテラン編集者が、日本だけでなく世界の情報を紹介する連載の第3回。今回は障害者ゴルファーに対する“世界の目”についてお伝えします。欧州障害者ゴルフ協会(EDGA)のベン・エヴァンス氏の寄稿記事をお届けします。
インクルージョンとゴルフの魅力
近年よく耳にする「インクルージョン(inclusion)」は、ヨーロッパの社会福祉政策の理念がルーツです。この社会において、ゴルフというスポーツはどのような魅力を持っているのでしょうか。
ゴルフはもっともインクルーシブなゲームのひとつ
EDGAのベン・エヴァンス氏は、ゴルフがもっともインクルーシブなゲームのひとつであると語ります。障害を持つゴルファーの精神に導かれ、インクルージョンの概念が拡大し、スポーツ全体に素晴らしい機会を生み出しています。
障害者ゴルファーの声
川崎の吉田隼人選手(世界障害者ゴルフランキング日本人トップ)は、バイク事故で右足を失うも、ゴルフを通じて前向きな精神を育みました。また、小山田雅人選手は、片腕が不自由ながらスクラッチゴルファーとなり、脳腫瘍の手術を乗り越えてPGA(日本)のティーチングプロになりました。彼らはゴルフが障害を超えて楽しめるスポーツであることを証言しています。
ゴルフの健康増進効果
ゴルフは、身体障害、神経障害、知覚障害、知的障害を持つ人々にとって最もインクルーシブなゲームのひとつです。数ホールのプレーは素晴らしい運動であり、自然の中で友人たちと楽しむことができ、心身の健康を増進します。ゴルフは個人の自信や自尊心の向上、うつ病や不安症の治療にも役立つことが証明されています。
ゴルフの交友と癒し
障害を持つことは孤独な体験ですが、ゴルフコースは活力を与える楽園となります。偉大なゴルファーのウォルター・ヘーゲンが言ったように、「道中の花を楽しむべきだ」とする精神で、ゴルフは美しい瞬間と永遠の思い出を与えてくれるのです。
