初の予選通過というだけでもすごいですが、2日連続で69をマークするというのはさらに素晴らしい成績です。V圏内に浮上してきたことで、これからの試合が楽しみですね。
<Vポイント×ENEOS ゴルフトーナメント 2日日>
◇16日
◇鹿児島高牧カントリークラブ(鹿児島県)
◇6456ヤード・パー72
開幕から精彩を欠いていた尾関彩美悠がようやく予選を通過した。
4バーディ・1ボギーの「69」をマークし、9位タイからツアー通算2勝目も狙える首位と1打差の4位タイ。キュートな笑顔がさらに輝いた。
「予選を通ることができて良かった。とりあえず、ひと安心です。この大会というか、このコースとは相性がいいんです」
初出場だったルーキーイヤーの2022年は49位タイ。ツアー出場1試合目で初めて予選を通り、初賞金を手にした大会だった。昨年は初日18位タイからしり上がりに調子を上げて、3位タイに入った。相性の良さを感じるのは適度に速く、適度に硬いグリーン。「重いグリーンより速い方がいいし、フラットではなくアンジュレーションがあるのも好きです。どのくらい曲げて打とうとか、すごくイメージが出ます」。
予選ラウンドのパット数は2日間とも25パットで、平均パット数は2位。相性の良さは数字も証明している。
この日奪った4つのバーディは1番パー5が1.5メートル、12番パー3は5メートル、13番パー5は3メートルを確実に沈めた。6番パー3のバーディはバンカーからピンまで15ヤードの2打目を直接カップインさせたものだが、「バンカーも結構得意です」と胸を張る。
尾関流のバンカーショットの極意は実にシンプルだ。「普通のアプローチと同じように構えて打つこと。プロアマ戦とかでご一緒するアマチュアの方はクラブフェースを極端に開いている人が多いですね。極端なオープンスタンスにする必要もないと思います。バンカーだからと変に力まないでください」。
バンカーショットに悩むアマチュアに金言も授けてくれて臨む最終日。雨予報には「気温も下がりそう。寒いのは嫌いです」と顔をしかめたが、「久しぶりの上位。しっかり楽しみたい」と明るい声のトーンは変わらなかった。
(文・臼杵孝志)