シェフラーは「アーノルド・パーマー招待」直前にパターを変更し、その後7勝を挙げ、「パリ五輪」で金メダルも獲得しました。しかし、これらの変化は、クラブのリリース、新しいプロトタイプ、興味深いギア変更、新たなトレンドなど、今年のギア関連ニュースの一部に過ぎません。以下は、GolfWRX.comが選ぶ今年のギア10大ストーリーの前編です（順不同）。
マキロイとモリカワが世に知らしめたプロトアイアン
2024年「バレロテキサスオープン」で、ロリー・マキロイ（北アイルランド）はリリース前のテーラーメイド“プロト”の4番アイアンを披露しました。このアイアンは高弾道を実現しつつ、打感はブレードアイアン同様です。コリン・モリカワも「RBCヘリテージ」で同じ4番アイアンを使用し、次のようにコメントしました。
「僕にとって、これは少しばかり寛容性が高いんだ。ここでプレーしている他の選手と比べると、僕はそれほど弾道が高くないし、飛ぶほうでもないからね。だから、少しでも弾道に高さが出ると、プレーの幅が少し広がるんだよ」
さらに、昨年の「全米プロゴルフ選手権」でシンデレラストーリーの主役となったマイケル・ブロックも、今年の同大会で10年以上使い続けていたテーラーメイド「ツアープリファードMCアイアン」に代え、同じプロトアイアンを使用しました。
結果的に、テーラーメイドはこのモデルを「P7CB アイアン」として一般販売することを決定。モリカワは2024年の「スコットランドオープン」と「全英オープン」で、飛ばし屋のクリストファー・ゴッターアップも「3Mオープン」でフルセットを使用しています。
シェーン・ローリーのパター変更
シェーン・ローリー（アイルランド）はプロとしてのキャリアの大半で、オデッセイの「2ボールパター」を使用してきました。しかし、2024年の「チューリッヒクラシック」で初めてテーラーメイド「スパイダー ツアーZパター」を使用。この変更は功を奏し、同大会を制覇しました。ローリーはGolfWRX.comに対し、次のように述べています。
「僕はグリーン上で悪戦苦闘していたので、何か新鮮な見た目の物を必要としていたんだ。ネックの形状は異なるけれど、似ている部分もある。白いラインが入っているし、マレット型だからね。だから、かなりドラスティックな変更というわけではないんだよ。練習グリーンで手に取ってみたら、見た目を気に入ったので、“一丁、これで試してみるか”という感じになったんだ」
フィッツパトリックの10年越しのアイアン変更
マシュー・フィッツパトリック（イングランド）はプロとしてのキャリアの大半を通じ、2013年にリリースされたピン「S55 アイアン」を使用してきました。しかし、2023年の終盤にピン「ブループリント S アイアン」をテストし、変更を決意。2024年「全米オープン」ではカスタムのタイトリスト「T100 アイアン」に替えています。
JTの“ガソリンスタンド”パター
ジャスティン・トーマスはここ数年で何度もパターを変更してきましたが、今回の変更には興味深いストーリーがあります。スコッティキャメロンのパターフィッティング部長であるポール・ビザンコは、ゴードン・サージェントのために設計したカスタムパターをトーマスに勧めました。トーマスはサージェントと地元アラバマ州のガソリンスタンドでパターの受け渡しを行い、新しいプロトタイプのパターを手にしました。
ミニドライバーの人気が高騰
“ミニドライバー”あるいは2番ウッドのコンセプトは長年存在していましたが、現代的なデザインがPGAツアーで注目を集めています。ジェイク・ナップはテーラーメイド「BRNR ミニドライバー」を使用して「メキシコオープン」を制覇。他にもマックス・ホマ、トミー・フリートウッド、アダム・スコットなどが使用しています。