松山選手は、メジャー今季第3戦「全米オープン」の最終日に、パリ五輪出場を初めて公に表明しました。すでに2月にツアーで9勝目を挙げ、出場権を確定させていましたが、公にするのはこのタイミングでした。
松山選手が出場表明を遅らせていた理由について、「若手が頑張ってワールドランキング50位以内に入ってくれれば、僕は出なくてもいいかなと思っていた」と語っています。しかし、自身を脅かすような存在は現れず、「出なきゃいけない」と決断しました。
また、日本ゴルフ協会(JGA)のサポート体制について疑問を持っていたことも出場表明を遅らせた理由の一つでした。現地の情報や練習環境、チーム松山としてともに転戦するメンバーの帯同、宿泊、食事についてなど、知りたいデータが不足していると感じていました。
松山選手は、「いちプロゴルファーとしてやっていると、五輪がどういう感じなのかまだ分からない。もうちょっとサポート体制をしっかりしてもらえたら、すんなりと行きたいと言えるんですけどね…」と語っています。
ゴルフが五輪競技に復活した2016年の「リオ五輪」では、ジカ熱などの衛生環境や治安問題を懸念して辞退しました。そして、21年の「東京五輪」では銅メダルをかけたプレーオフに残るも惜敗しました。東京五輪は故郷・日本でのプレーでしたが、今回のパリ五輪は未訪問の地で行われます。そのため、より詳細な情報を知りたいと考えているのは当然のことでしょう。
直前の練習環境については、「DP(欧州ツアー)がサポートをしてくれるという話は聞いた」と述べていますが、「普通はJGAが確保するのではないのか…」という不満も漏れています。
男女選手の代表決定を受けて、丸山茂樹監督は「私たちチームスタッフは、選手が競技中はプレーに集中して、オフの時間はリラックスができるように、快適な環境を整えることに努めていきます」とコメントを発表しました。服部道子コーチも「選手が最高のパフォーマンスを発揮し、選手が苦しいときには寄り添い、大きな喜びに包まれるよう全力で選手をサポートしていく」と話しました。
松山選手も「出るからには頑張りたい」と意気込みを語っています。快挙達成のためにも、チーム日本として万全の体制を整えてほしいというのが、私たちファンの願いです。パリ五輪、そしてその先の2028年「ロス五輪」に向けて、JGAと選手の意思疎通は重要な課題となりそうです。これからの動向に注目です。