必要なのは「技術の“深さ”」 片山晋呉から見たゴルファー臼井麗香

スポンサーリンク
必要なのは「技術の“深さ”」 片山晋呉から見たゴルファー臼井麗香

臼井麗香のキャディ、片山晋呉:34年ぶりの共演

 アース・モンダミンカップの第3ラウンドが終了し、通算2アンダーで25位につける臼井麗香のキャディを務めているのは、永久シードプレーヤーの片山晋呉です。普段、男子ツアーやシニアツアーを戦う片山がバッグを担ぐのは、1990年の男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来、34年ぶりのことです。

 臼井は今季3月に「アクサレディス」でツアー初優勝を果たしましたが、片山は彼女のプレーを間近で見て、「戦い方と打ち方を知らないだけ。ポテンシャルはすごく良いものを持っているし、根性もある。でも、僕が教えると『初めて聞きました』っていうことが多すぎる」と評しています。

 片山は1995年にツアーデビューし、通算31勝を積み上げています。2001年のメジャー「全米プロ」で4位に入り、09年の「マスターズ」では当時日本人最高成績の4位に食い込みました。世界のトッププロと同じ舞台で戦った経験や培った技術を、若手に惜しみなく伝えているのです。

 片山は、「ツアーセッティングのラフからの打ち方とかは、スイングコーチだとなかなか教えられない。『こういうライの状況で、風がこういう時はこうした方が一番安全』みたいなやり方がまだ分かってないから、もったいないなと」語っています。

 臼井にとって必要なのは、“ゴルフ脳”を鍛えることだと片山は考えています。「僕も打ち方とかを聞かれたら答えるけど…。自分で気づかなきゃいけないこともあれば、教えられないと全然できない場合もある。でも、そういうのを何個か知れば、自分の技術に“深さ”が出てくる。(臼井は)一球、一球ではまったく他に負けてないし、もっと上のレベルでやってほしいからね」。25歳の後輩に寄せる期待は大きいです。

 今週は度重なる荒天で競技が中断し、最終日までに72ホールを完遂できず、予備日を使用して3年ぶり、ツアー史上4度目の月曜決着となりました。当初は別の用事が入っていたという片山は、「セルフはダメだし、(代わりは)誰もいないから、やるしかないでしょ。彼女に頑張ってほしいからね」。51歳の片山は最終ホールまで臼井を支えるつもりです。

続きを読む

スポンサーリンク