ロケットスタートからの妙技ウォーターショットも圧巻でした。
KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目のハイライト
序章
2024年6月21日、ワシントン州のサハリーCC(6731ヤード・パー72)で開催されたKPMG全米女子プロゴルフ選手権の2日目が終了しました。日本のトッププロゴルファー、渋野日向子(しぶの・ひなこ)は、首位と2打差の3位タイに立ち、週末の優勝争いに加わることになりました。
渋野日向子の2日目ハイライト
劇的なスタート
渋野日向子は、2日目を「70」でラウンドし、4つのバーディ、2つのボギー、12個のパーを記録しました。しかし、このスコア以上に印象的だったのは、「かなりドラマのある18ホール」だったという点です。
ロケットスタート
彼女のプレーは、3連続バーディの「ロケットスタート」から始まりました。10番ホールでは2.5メートル、11番パー5では6メートル、12番ではユーティリティで2メートルに寄せる見事なプレーを見せました。
パーパットのミスとリカバリー
13番パー3では、7メートルのバーディトライを試みましたが、残した1メートルのパーパットを外し、3パットのボギーを記録。「打ち出したいラインには出せてて、上りを忘れて打っちゃった。だいぶショートしたけど、引きずることなくできた」と語り、その後も安定したプレーを続けました。
バンカーショットと耐えるプレー
15番ホールではバンカーから3メートル寄せきれず、16番ホールでは傾斜でグリーン手前に戻るシーンも。「かなり大きかった。耐えるところは耐えて、本当にしぶとく取れてよかった」と、4メートルオーバーのパーパットを決めました。
池越えの奇跡のショット
1番ホールでさらにスコアを伸ばし、2番パー5ではこの日のハイライトが生まれました。90ヤードの3打目がダフり、グリーン手前の池につかまるかと思いきや、ボールは岩の間に残っていました。「遠くからでもボールが見えていたから、(岩の)あいだに入ったのかなと思って。行ってみないとなと思ったけど、意外と砂だった」と語り、その状態から58度ウェッジでの“ウォーターショット”を成功させました。
安定したパットとアグレッシブなプレー
その後もスコアを落とさず、ロングパットは2パットに収め、パーオンを逃したところはアプローチで寄せるという手堅いプレーを見せました。8番ホールではフェアウェイバンカーからユーティリティを選択し、アゴを越え、木のスレスレを通過させて花道から転がして乗せるアグレッシブなショットを披露し、ギャラリーから歓声を引き出しました。
最終ホールとまとめ
最終9番ホールでは、4メートルのナイスボギーセーブを決め、「2番がパーセーブできたから、最後がボギーだったのかもと思います(笑)」と振り返りました。耐え忍び、スコアを伸ばしつつも魅せるプレーで締めくくった18ホールでした。
「この位置で決勝ラウンドを迎えられるというのは、すごく良かった。まだまだ頑張れるなって思えます」と語る渋野日向子。「全米女子オープン」では“復活”の2位に輝いたスマイリング・シンデレラが、ムービングデーに2打差を追いかけます。
