虎さんは日本のレギュラーツアーで3勝を挙げており、今季の国内シニアツアーでも2戦を終えて8位タイ、3位タイとベスト10を外していません。彼のプレーを観察すると、フィニッシュの仕方に注目が集まります。
国内シニアツアー第2戦の「すまいーだカップ」では、左ドッグの打ち下ろしの2番パー4のティショットでは右足1本で立ち後ろに下がるように半回転。一方、右ドッグレッグの6番パー5では、右の林越えを狙うティショットで左足1本で立って前に一歩踏み出していました。
本人によると、「日本語は日々勉強です」としながら、スイングの動きを再現。「フェードは後ろで、ドローは前です」と教えてくれました。つまり、左に打ち出して右に曲げたいとき(フェード)は右足軸で打って後ろに下がり、右に打ち出して左に戻したいとき(ドロー)は左足軸で打って目標方向に移動していたのです。
さらに虎さんは自身のスイングについて語りました。「私のアドレスはクローズで、肩のラインは目標を向いています。オープンだとバックスイングが浅くなってしまいますが、クローズだとバックスイングが深く入ります」。これは体が硬くてトップが浅くなりがちなゴルファーにも参考になりそうです。
「私みたいに振ると腰を痛めない。ケガの防止になります。ロングタイムスイングです。オールドのみなさま、私のスイングでパーフェクト! 痛いところはありません」と、笑顔を見せています。アドレスではクローズに立って体を回りやすくし、フィニッシュで踏ん張らずに動いてしまうことで、腰への負担は少なくなります。独特に見えて、実は体にやさしい合理的なスイングなのです。
今シーズンは日本のシニアツアーを主戦場に戦う予定ですが、視線の先には米シニアツアー参戦があります。昨年12月に行われたQTファイナルステージでは33位に終わり、コンスタントに試合に出場できる5位までには入れませんでした。「毎日全部が練習。今年も12月のアメリカQTファイナルが目的地です」。虎さんにしかできない唯一無二の『フッシャーマンズ・スイング』で世界を目指す。
