人間も同じで、努力を続ければやがて成果が現れるものだ。
「やらずに違うと決めてしまったらそれまで」 渋野日向子が復活に向けコーチと続けてきた“試行錯誤”【辻にぃ見聞】
海外女子メジャー今季第2戦「全米女子オープン」は笹生優花のメジャー2勝目で幕を閉じた。単独2位で終えた渋野日向子の、ここまでの道のりを、指導する辻村明志コーチが明かす。
全米女子オープン 2024: 日本勢の輝きと渋野日向子の復調
日本勢の1、2フィニッシュ
今年の「全米女子オープン」は、日本の笹生優花選手が優勝、渋野日向子選手が2位と、日本勢の1、2フィニッシュで幕を閉じました。この結果は、これまで苦しんできた渋野選手の復調を象徴する4日間でもありました。
辻村明志コーチとの二人三脚
師事の始まり
渋野選手が辻村明志コーチの門を叩いたのは昨年末のことでした。ポイントランキング83位でシード権を失ったシーズンを終え、スイングの修正が必要とされたためです。辻村コーチは多くの修正点を指摘し、一日でも多く練習することを求めました。
厳しい冬のトレーニング
寒さの厳しい冬、渋野選手は辻村コーチの拠点である千葉県に連日通い、最低でも3時間の練習を行いました。試行錯誤の連続で、多くの修正を試みながら、自分に合うフィーリングを探し続けました。
渋野日向子の試行錯誤
フィーリングの探求
「やらずにこれが違うと決めてしまうとそれまで」という辻村コーチの考えのもと、渋野選手は多くの試行錯誤を繰り返しました。キャンプでも多くのトライ&エラーを行い、最適なスイングを探し続けました。
成果と取捨選択
渋野選手は「とにかくいろいろやってきました。取捨選択をして、合わないものは切り捨てて」と述べており、常により良いスイングを求めて試行錯誤を続けています。この冬の取り組みが、日々の練習に生かされています。
スランプからの脱却
辻村コーチの助言
スランプは避けられないものであり、辻村コーチも多くの選手を見てきました。段階を踏んで成績を向上させるために、選手には「慌てるな」と言い聞かせ、焦らずに取り組むよう指導してきました。
タイミングの調整
トップからダウンスイングに入るときの切り返しや手先の力を抜くことに重点を置き、時間をかけて取り組みました。テレビに映し出される渋野選手のプレーには、その成果がしっかりと表れていました。
渋野日向子の集中力と勝負強さ
集中力の高さ
辻村コーチが特に驚いたのは渋野選手の集中力です。「ゾーンに入ったときの強さ、集中力の高さは人の3倍」と評価しており、ミスとの戦いを乗り越える姿勢が見られました。
全米女子オープンでの活躍
大会3日目に「66」の好成績を出し、優勝争いに食い込んだ渋野選手は、7バーディを奪い、集中していたと話していました。この集中力が勝負強さの理由ともなっていると辻村コーチは感じています。
今後の展望
スイングの最終調整
辻村コーチからスイングの話をすることがなくなり、自分の感覚でスイングを調整する段階に入っています。フィールドでは誰も助けてくれないため、自分の感覚で落とし込むことが重要です。
成功体験の積み重ね
「できないときにへこんでも、それを信じてやり続けることが強み」と辻村コーチは述べています。辛抱強く取り組んできた結果が、全米2位という結果につながりました。これからも成功体験を増やし、さらなる飛躍を目指しています。
解説者: 辻村明志コーチ
辻村明志(つじむら・はるゆき)は、1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアーで活躍し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入るなどの成績を残しました。現在はツアー帯同コーチとして、多くの女子プロゴルファーを指導しています。プロゴルファーの辻村明須香は実妹であり、ツアー会場では“おにぃ”の愛称で親しまれています。