「やらずに違うと決めてしまったらそれまで」 渋野日向子が復活に向けコーチと続けてきた“試行錯誤”【辻にぃ見聞】
海外女子メジャー今季第2戦「全米女子オープン」は笹生優花のメジャー2勝目で幕を閉じた。単独2位で終えた渋野日向子の、ここまでの道のりを、指導する辻村明志コーチが明かす。
全米女子オープンの日本人選手の活躍
歴史的なフィニッシュ
今年の全米女子オープンは、笹生優花が優勝し、渋野日向子が2位となり、男女ゴルフを通じて史上初の日本人選手によるメジャー“1、2フィニッシュ”という結果で幕を閉じました。この大会は、これまで苦しんできた渋野の日向子の復調を印象づける4日間にもなりました。
辻村明志コーチの指導
渋野日向子は昨年末から辻村明志コーチの指導を受け始めました。シーズンが終わり、ポイントランキング83位でシードを失った後に、辻村コーチのもとを訪れました。辻村コーチは「スイングについては何十個も修正すべき点がありました。とにかく多くの練習をしてもらいたかった」と述べています。
試行錯誤の毎日
冬の寒さに耐えながら、渋野日向子は辻村コーチの拠点である千葉県に通い、毎日3時間以上の練習を積み重ねました。「やらずにこれが違うと決めてしまうとそれまで」という辻村コーチの考えのもと、数十個ものアプローチを試しました。
慌てずに進む
辻村コーチは、選手にとってスランプは避けられないものであり、状態が良くなるには段階があると説明しています。「イメージはできるけど打つとできない」「練習ではできるけどコースではできない」などの段階を経て、最終的に試合で実力を発揮できるようになります。
渋野の集中力
渋野日向子はこの冬、辻村コーチとの練習で集中力を高めました。「ゾーンに入ったときの強さ、集中力の高さは人の3倍」と辻村コーチは言います。この集中力が、全米女子オープンでの成功につながりました。
辛抱の結果
全米女子オープン3日目、渋野日向子は「66」の好成績を出し、優勝争いに加わりました。これまでの試行錯誤と集中力が実を結び、渋野日向子は2位という結果を手にしました。
今後の展望
辻村コーチは、渋野日向子が自分の感覚とスイングをすり合わせることが大事だと考えています。「失敗しては、やり直したり、別の方法に変えたりしてきたことを、自分のものにすることが今の段階」と述べています。渋野日向子の復調は、今後の成功につながると期待されています。
解説:辻村明志コーチ
辻村明志は1975年9月27日生まれ、福岡県出身です。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦しました。転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、吉田優利らを指導しています。プロゴルファーの辻村明須香は実妹です。ツアー会場の愛称は“おにぃ”です。
