シャフト変更は「新しい発見になった」 渋野日向子がメジャーでも続ける“試行錯誤”
全米女子オープンの予選ラウンドが終了。渋野日向子はトータル1オーバー・5位タイで決勝へ進む。
全米女子オープン 2日目
試合概要
2024年6月2日、ペンシルベニア州ランカスターCCで開催された全米女子オープンの2日目が行われました。コースは6583ヤード、パー70です。
渋野日向子の驚き
渋野日向子は、2020年にテキサス州ヒューストンで開催された全米女子オープン以来の決勝進出について記者から質問され、「えー!? ほんとに? あれ以来? トントントンヒューストン? 衝撃です」と驚きを見せました。しかしすぐに「全米は、してやられている感がある」と納得し、今回もその4年前と同様に上位で週末に入ることができました。
正確なショットとパーオン率
この日のフェアウェイキープ率は92.8%(13/14)とティショットは非常に正確でした。また、パーオン率も72.2%(13/18)で、しっかりとチャンスを作り出していました。「今週はドライバーから気持ちよく振れているという感覚があるので、1個ミスしようが、そんなにマイナスには考えていなかった」と渋野は語っています。
ショットメーカーとしてのバーディ
渋野は7番パー5での3打目を1.3メートルにつけたり、9番パー4では“お先に”で決めたショットでバーディを奪いました。「自分は昔からショットメーカーというか、ショットでバーディを取りにいくみたいな。それが戻ってきたかなという感覚は、最近のなかでは一番ありますかね」と語っています。
苦境からの脱出
今シーズンこれまで9試合に出場し、予選通過は2試合のみ。開幕前には「よりいいもの、自分が打ちたいドローボールを打つためのものがもっとあると思って、いろいろ試していました」と試行錯誤していたことを明かしました。
シャフトの変更
今週からウェッジ以外のクラブのシャフトを変更しました。ドライバーは昨年まで使用していたフジクラの『スピーダーNX 5SR』に戻しました。「先週まで使っていたシャフトが若干硬くて、右に出すドローが出なかった。どうしようかなと思った時に、いままで使っていたちょっと軟らかめで返ってくるようなシャフトに戻そうと思った」とその意図を明かし、変更後のドライバーについて「気持ちよく振れている感じがある」と話しました。
その他のクラブ変更
ユーティリティにはグラファイトデザインの『ツアーAD HY75R』、アイアンにはフジクラの『MCI』を使用。さらに3、4、5番のユーティリティのヘッドもスリクソンの『ZX Mk II』に変更しました。「やわらかい球で飛んでいく感じがすごく良かった」と、感触を確かめながら使用しています。
苦労と発見
「めっちゃしんどいです(笑)」という本音も。「いろいろやってきたなかで理解をしてきて、シャフトを替えるという選択にもなった。スイングを変えることも大事だけど、違うことで変えられたらという新しい発見になった」と、日々の努力を語りました。
自力と楽しみ
「(全米に出ているのは)自力ではあるけれど、ある意味自力じゃないんですよ。だから『楽しまんとな』みたいなのもあった。シャフトも替えてフレッシュな気持ちでできている。それが予選通過につながったのかな」とも話しています。今年は2019年の「AIG女子オープン」(全英女子)を制して得た5年間のメジャー出場権の最終年になりますが、それをプラスに変えていく意欲も見せています。
前向きな姿勢
3パットで喫した3つのボギーは悔しいものの、トータル1オーバー・5位タイと順調に進んでいます。「いつまでここで戦えるかわからないし、どの試合に出られるかもわからないけど、大きい大会だからやれるだけやるぞ、という前向きな気持ち」。このメジャー大会は、渋野日向子が取り組んでいることの一端を垣間見ることができる舞台でもあります。