寒さに負けずに最終ラウンドを迎え、今度こそ2勝目を手にすることを願っています。

 メジャー2勝目まで残り1日…　寒さに阻まれた渋野日向子の快挙【2020年全米女子OP】

コロナ禍で行われた2020年大会で優勝争いを演じた渋野日向子。寒さに襲われ、惜しくも優勝を逃した。

全米女子オープン 事前情報◇27日◇ランカスターCC（ペンシルベニア州）◇ 6583ヤード・パー70

最終ラウンドを単独首位で迎え、海外メジャー2勝目に期待がかかった渋野日向子。2020年の「全米女子オープン」は、新型コロナウイルスの影響で12月開催となり、彼女はその舞台で輝きを放った。

2020年12月、舞台はテキサス州。大会史上もっとも遅い時期の開催となり、渋野は快進撃を見せた。初日を3アンダーで終え、首位と1打差の2位タイ発進を決めると、そのプレーに「出来杉君（笑）。100点、100点以上です」と満足感を示した。

2日目にはさらに4つ伸ばしてトータル7アンダー。2位に3打差をつけて単独首位に立ち、「夢かなと思いました」とホーアウト後にはスコアボードを見て驚いた。この年はコロナの影響で海外転戦が狂わされ、6月に国内開幕。その後の2カ月の海外遠征でも結果を出せず、再び日本ツアーに戻った。しかし、そこで復調の兆しを見せ、大舞台に挑むことになった。

「大人になっていると思う。去年の全英の時よりいいゴルフをしている」と自信を見せる渋野。メジャー2勝目を視野に入れた彼女は、「あと2日間は伸ばせるときには伸ばしたいが、耐える、粘るゴルフが必要」と決意を新たにしていた。

3日目は厳しいコースコンディションで、アンダーパーを記録したのはわずか2人。渋野も1バーディ・4ボギーで3つ落としたが、2位に1打差の単独首位を守った。「今日は本当に難しかったですし、首位にいるという緊張感がありました」と振り返る彼女は、最小限のロスで運命のファイナルラウンドに臨んだ。

最終ラウンドは悪天候のためプレーが一時中断され、月曜日に持ち越された。渋野はショット練習を終了した段階でコースを離れ、勝負の18ホールは1日遅れとなった。

月曜日、極寒の中で最終組としてスタートした渋野は前半で2つ落とし、首位タイで後半に向かった。後半でもスコアをひとつ落とし、最終的に優勝したキム・アリム（韓国）に2打差をつけられ、4位で大会を終えた。

「自分らしいゴルフがなかなかできなかった。体が寒さで動かず、ショットもグリーンに乗らなかった。耐えようと思ったけど、やっぱりこういうゴルフでは通用しない」と悔しさを滲ませた渋野。しかし、この敗戦が彼女の米ツアー進出を決定づけたと言っても過言ではない。「2カ月前に米国で戦って、米国でやりたいという気持ちが強くなった。この悔しさは米ツアーでしか晴らせない。絶対にここで戦います」と力強く語った。日本勢初のメジャー2勝目は逃したものの、この敗戦が渋野のさらなる飛躍のきっかけとなった。