《日本人はここぞの時に120%出すことが下手》というJFA宮本新会長の意見は正しいか 遠藤航らの活躍やカタールW杯がそうではないことを証明している
JFA新会長に就任した宮本恒靖氏が、先日テレビ朝日『報道ステーション』にゲストとして登場した。
サッカー解説などで活躍する元日本代表の内田篤人氏も同席し、「新会長に聞く 日本サッカーの未来」と題し、トークが繰り広げられた。
番組内では内田氏が、会長に対し様々な質問を投げかけた。そのなかで、内田氏がヨーロッパでもプレイした経験を持つ宮本会長に、ヨーロッパで活躍する選手と日本の選手の違いという一見単純な質問を投げるシーンがあった。
宮本会長は戦術理解やフィジカルなどのサッカーの技術的要素ではなく、日本人のある特徴を改善するべきだと答えた。
「海外の選手は、例えば90分の練習の中で50%でずっとやっていても、例えばメンバーを決めるような紅白戦の中では100%、120%出せる。パワーを出せる瞬間が日本人は下手というか苦手。そういう力をぜひ身につけてもらいたい。“ここ”というときのアウトプット」
「日本人の力の出し方は、どちらかというと80%で1日のトレーニングをこなすのは得意。ただ100%、120%を出すのがまだ苦手なのではないかと思う」
常に真面目に一生懸命できるのが日本人の特徴であるとは、よく言われることだ。ビッグクラブで活躍している遠藤航や冨安健洋を見ても、堅実で真面目な面が評価されているのもわかる。しかし本当に今の日本人選手は、ここぞの場面で全力を発揮することが苦手だと言えるだろうか。
例として思い出されるのは一昨年のカタールW杯、ドイツ、スペインを倒したジャイアントキリングだ。優勝候補とも思われた強豪国をどちらも倒し、E組を首位で抜け出すなど誰が予想しただろうか。浅野拓磨や堂安律らのゴールは、そしてあの勝利は120%の力を本番で発揮したからこそ得られたものではなかったか。
また、現在は宮本会長がザルツブルクでプレイしていた時代と異なり、日本人がビッグクラブでプレイすることも珍しくなくなった。
リヴァプール遠藤航は先日のカラバオ杯決勝でも120分を戦い抜き、タイトルを手にしたばかり。あの試合の遠藤はまさしくチームを引っ張るような堂々としたパフォーマンスを見せていた。そしてプレミアリーグを見ても今や確固たるレギュラーとしてチームの中心にいて、多大なプレッシャーのなか世界最高のリーグで優勝争いを繰り広げている。
ある種の“おとなしさ”というのは確かに日本人のDNAのなかにはあるのかもしれない。しかし、そんなステレオタイプな日本人選手像を超越するようなプレイを見せる選手たちが躍動しているのも事実だ。
宮本会長には日本サッカーの舵取り役として、今の選手たちの資質を見誤ることなく正しい方向に導いてくれることを期待したい。
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