Metaspeed Edgeは、フルマラソン後半にピッチが上がる、あるいはピッチ走法で走るランナーに特に適したレーシングシューズです。アシックスが「ピッチ型ランナーが少ない歩数でゴールできること」を追求して開発したモデルで、カーボンプレートの配置やミッドソールの形状が、足の回転を速く保ちながら効率的な推進力を生むように設計されています。
具体的には、次のようなランナーに強く「刺さる」シューズと言えるでしょう。
フルマラソン後半、疲労でストライドが狭まりピッチが上がるタイプ
普段からケイデンス(ピッチ)が高めで、180歩/分以上を維持する走り方
接地時間が短く、地面を蹴るというより「回す」感覚で走る
レース終盤まで脚の回転を落とさずに粘りたい
Skyシリーズを試したが、前への推進感が強すぎて脚がもたないと感じた
一方で、ストライド走法でぐいぐいと地面を蹴って進むタイプや、フルマラソン中盤まで大きなストライドを維持できるランナーは、同じメタスピードシリーズのSkyの方がマッチする可能性が高いです。この記事では、Metaspeed Edgeの特徴や選び方のポイント、実際のレースでの使いこなしまでを詳しく解説します。
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Metaspeed Edgeの基本スペックと設計思想
Metaspeed Edgeは、アシックスのトップレーシングシューズ「Metaspeed」シリーズの一角です。2021年の初代モデル登場以来、パリ五輪を意識した「PARIS」、そして2025年の東京世界陸上に向けた「TOKYO」と進化を遂げてきました。
ここでは、現在流通している主なモデルの基本スペックを整理します。なお、公式確認が難しい数値は「要確認」とし、購入前に必ずメーカー情報を確認することをおすすめします。
| 項目 | Metaspeed Edge+(2024年モデル例) | Metaspeed Edge TOKYO(2025年モデル) |
|——|———————————-|————————————–|
| 重量(27.0cm片足) | 約210g(公称) | 前作から約15g軽量化(公称) |
| ミッドソール素材 | FF BLAST TURBO | FF TURBO PLUS(反発性向上) |
| カーボンプレート配置 | つま先に向かって下がる傾斜配置 | つま先に向かって下がる傾斜配置(継承) |
| ヒール高 / 最大厚 | 20mm / 約38.0mm | 要確認(公式情報を参照) |
| ワイズ | 2E(STANDARD) | 要確認(モデルにより異なる可能性あり) |
| アッパー | 合成繊維 | MOTION WRAP 2.0(通気性・快適性向上) |
| アウトソール | ゴム底・合成底(ASICSGRIP) | ASICSGRIP(グリップ力向上) |
設計思想として一貫しているのは、「ピッチ型ランナーがピッチを調節しながらストライドを伸ばし、少ない歩数でゴールできること」です。カーボンプレートがミッドソール内でつま先に向かって下がる傾斜を持ち、少ないパワーでも反発力を得ながら素早く足を前に運べるようになっています。これは、接地時にプレートがたわみ、蹴り出しで元に戻る力を利用して、足の回転をアシストする仕組みです。
Metaspeed Skyとの決定的な違い:フルマラソン後半で差が出る理由
Metaspeed EdgeとSkyは、同じシリーズながら走法タイプによって明確に推奨が分かれます。最大の違いはカーボンプレートの形状と配置です。
Sky:プレートがフラットに近い配置で、ストライドを伸ばすことに重点。大きなフォームで走るランナーが、より少ない歩数で進めるよう設計。
Edge:プレートがつま先側で下がる傾斜を持ち、足の回転を速くすることに重点。ピッチを維持・向上させたいランナー向け。
フルマラソン後半に着目すると、疲労によって誰しもフォームが崩れ、ストライドが狭まりがちです。多くのランナーは無意識にピッチを上げてカバーしようとしますが、ここでEdgeの特性が生きてきます。Skyはストライドを維持できる脚力が前提となるため、後半に脚が止まるとその恩恵を十分に受けられません。一方Edgeは、短い接地時間と素早い切り返しを助けるため、疲れてからの「脚の回転」をサポートし、失速を抑えやすくなります。
実際、海外のランニングコミュニティでも「マラソン後半にピッチが上がるならEdge」「前半から大きなストライドで押せるならSky」という選び方が定説になりつつあります。自分のレース後半の走り方を動画で確認したり、GPSウォッチのケイデンスデータを振り返ったりすると、どちらが合うかの判断材料になるでしょう。
Metaspeed Edgeが向いているランナー・向いていないランナー
向いているランナー
フルマラソン後半、ケイデンスが190歩/分を超えるような高ピッチ型
もともと接地時間が短く、足の回転でスピードを生み出す走り方
レース中盤以降にストライドが落ちても、ピッチで粘りたい
Skyを履いた時に「前に進みすぎて脚が消耗する」と感じた
軽量で反発の良いシューズを求めているが、過度なロッカー形状は好まない
向いていない可能性があるランナー
ストライド走法で、レース後半も大きなフォームを維持できる
ケイデンスが170歩/分未満で、一歩一歩をしっかり蹴って進むタイプ
フォアフットというよりミッドフット~ヒール寄りの着地
クッション性よりも、ダイレクトな反発と推進力を重視する
幅広・甲高で、2Eでは窮屈に感じる足型(公式上は2Eですが、試着が必須です)
レースで失敗しないためのサイズ選びと試着ポイント
Metaspeed Edgeはレース用シューズのため、フィット感がパフォーマンスに直結します。購入前に以下のポイントを必ずチェックしてください。
ワイズは2Eが基本:アマゾンの商品情報では「ワイズ:2E」と明記されています。ただし、足の形は人それぞれなので、普段2Eで問題ない人でも試着は必須です。
サイズ感は標準的かやや小さめ?:レビューなどでは「普段のアシックスと同じサイズで問題ない」という声がある一方、レース用の薄いソックスを前提にするとハーフサイズアップを検討する人もいます。実際に薄手のレース用ソックスを履いて試すのが確実です。
つま先の余裕:下り坂や後半の足のむくみを考慮し、つま先に5mm~1cm程度の余裕があるか確認。カーボンプレートの位置関係で、指先が当たると痛みの原因になります。
かかとのホールド感:アッパーはMOTION WRAP 2.0で足に馴染みやすいですが、かかとが抜けるようだとサイズが合っていない可能性があります。
試走できる店舗を探す:できればトレッドミルや店舗周辺で数分間走らせてもらい、走行時のフィット感やプレートの反発を体感しましょう。
また、レースで使用する前に必ず30km程度の距離を試走し、マメや圧迫感がないか確認してください。本番で初めて履くと、思わぬトラブルでタイムを落としかねません。
フルマラソン後半に効く!Metaspeed Edgeの走り方と活用法
Metaspeed Edgeの性能を最大限に引き出すには、シューズの特性に合った走り方を意識することが大切です。
ピッチを意識しすぎない:Edgeは自然と足の回転が速くなる設計なので、無理にピッチを上げようとせず、リラックスしたフォームを心がけましょう。
接地はミッドフット~フォアフット:プレートの傾斜がつま先側にあるため、フォアフット気味の着地の方が反発を感じやすいです。ただし、極端なつま先着地はふくらはぎへの負担が大きいので注意。
後半の粘りに期待:30km以降、脚が重くなってからが本領発揮です。ストライドが狭まっても、ピッチを落とさずに回転でカバーする感覚を掴めると、失速を最小限に抑えられます。
ダウンヒルでの優位性:下り坂ではプレートの反発と軽量性が生き、ピッチを上げてスピードに乗りやすいという声もあります。コースプロフィールによっては武器になるでしょう。
練習では、レースペースよりやや速いペースでのクルーズインターバルや、疲労状態でのペース走に使うと、本番を想定した感覚が養えます。
購入前に知っておきたい注意点とよくある失敗
Metaspeed Edgeは高性能なレースシューズですが、購入前に知っておくべき注意点もあります。
耐久性は高くない:軽量レーシングシューズの宿命で、アウトソールやミッドソールのヘタリは比較的早いです。レース本番と直前の試走に限定して使うのが賢明です。
雨の日のグリップ:ASICSGRIPアウトソールは高いグリップ力を謳っていますが、マンホールや白線など滑りやすい路面では注意が必要です。
価格は高額:2024年モデルの参考価格は39,800円前後(価格.com調べ)。投資に見合うか、目標レースとの兼ね合いで判断しましょう。
幅が合わないリスク:2Eでも足幅が広い人や甲高の人は、圧迫感を感じる場合があります。特に長距離では痛みやしびれの原因になるため、少しでも違和感があれば使用を控え、専門店で相談してください。
シューズの進化が早い:Metaspeedシリーズは毎年のようにアップデートされ、TOKYOモデルでは大幅な軽量化と反発性向上が図られています。購入時期によっては旧モデルになる可能性も考慮を。
また、よくある失敗として「本番でいきなり履いてマメができた」「サイズ選びを誤って爪が黒くなった」といった声がランニングコミュニティで散見されます。必ず事前の試走とサイズ確認を徹底してください。
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他ブランドのカーボンシューズとの比較
Metaspeed Edgeの立ち位置を理解するために、同クラスのカーボンレーシングシューズと簡単に比較します。
| シューズ | 特徴 | 向いている走法 |
|———-|——|—————-|
| Metaspeed Edge | 高ピッチ向け、後半の回転維持に強い | ピッチ型、後半にピッチが上がる |
| Nike Vaporfly | 高い反発性と推進力、ストライド向け | ストライド型、フォアフット |
| Nike Alphafly | エアポッドによる高いエネルギーリターン、安定性 | ミッドフット~ヒール着地、長距離 |
| adidas Adios Pro | ロッカー形状でスムーズな体重移動 | ピッチ・ストライド両用、ミッドフット |
| New Balance SC Elite | 柔らかめのクッションと安定性 | 幅広い走法、初心者~中級者 |
Edgeは「ピッチ特化」という点で明確にキャラクターが立っており、他ブランドのオールラウンダー志向とは一線を画します。そのため、自分の走法がはっきりしている上級者ほど、選択のメリットが大きいと言えます。
よくある質問(FAQ)
Metaspeed Edgeは初心者でも使えますか?
初心者でも使用は可能ですが、カーボンプレートの反発を活かすにはある程度の脚力と走法の習熟が必要です。また、クッション性はレース向けに必要最小限で、脚への衝撃は大きめです。まずは普段のジョグで履き慣らし、短い距離から試すことをおすすめします。
フルマラソンでサブ4を狙うランナーにも適していますか?
サブ4ペース(5'40/km前後)でも十分にメリットはあります。ただし、ピッチ走法でないと真価を発揮しにくいため、自分の走り方を分析してから選びましょう。ペースが遅いとカーボンプレートの反発を感じにくい場合もあります。
Metaspeed EdgeとSky、両方試せる場所はありますか?
アシックスの直営店や大型スポーツ量販店の一部では、両モデルの試し履きが可能な場合があります。また、ブランド主催の試走会やマラソンEXPOでの体験イベントも狙い目です。事前に店舗へ在庫と試着可否を確認してから訪れると確実です。
旧モデル(Edge+)とTOKYOモデル、どちらを選ぶべきですか?
予算に余裕があり、最新のテクノロジーを求めるならTOKYOモデルがおすすめです。約15gの軽量化と反発性の向上が公称されています。一方、旧モデルは在庫があれば比較的安価に入手できる可能性があり、コストパフォーマンスを重視するなら検討の余地があります。
幅が合わない場合、ワイドモデルはありますか?
公式上、Metaspeed Edgeのワイズは2Eのみで、2026年5月時点で4Eなどのワイド展開は確認できていません。幅が合わない場合は、同じアシックスの他のワイドモデルや、他ブランドの幅広対応シューズを検討する必要があります。
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レース後半に足が痛くなるのですが、対策はありますか?
まずはサイズが合っているか、ソックスの厚みやシューレースの締め具合を再確認してください。それでも痛みやしびれが続く場合は、使用を中止し、専門店でフィッティングを受けたり、医療専門家に相談することをおすすめします。
