マラソンで水を飲みすぎると危険で後悔しないために。走る前の確認ポイント

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マラソンで水を飲みすぎると危険で後悔しないために。走る前の確認ポイント
はじめに:水分補給は「多ければ良い」わけではない

マラソンシーズンが近づくと、脱水や熱中症への警戒から「とにかく水を飲まなければ」と考えるランナーは多い。しかし、実は水の飲みすぎが深刻な体調不良を引き起こすことがある。それが低ナトリウム血症だ。特に暑いレースでは、汗で失われる塩分を補わずに水だけを大量に摂取することで、血液中のナトリウム濃度が危険なレベルまで低下する。この記事では、低ナトリウム血症のメカニズムや初期症状、そしてレース中に実践できる正しい給水ペースについて詳しく解説する。

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低ナトリウム血症とは何か?

低ナトリウム血症は、血液中のナトリウム濃度が135mEq/L未満に低下した状態を指す。ナトリウムは体内の水分バランスや神経・筋肉の機能を維持するために不可欠な電解質だ。マラソンのような長時間の運動では、発汗によって水分とともにナトリウムが失われる。このとき、水だけを補給すると血液が薄まり、ナトリウム濃度が急激に低下する。これが運動関連低ナトリウム血症(EAH)である。

重症化すると、脳浮腫や肺水腫を引き起こし、意識障害や呼吸困難に陥るケースもある。実際、マラソン大会で水を飲みすぎたランナーが救急搬送される事例は少なくない。ある調査では、アイアンマン完走者の10%以上が低ナトリウム血症だったという報告もある。

なぜマラソンで低ナトリウム血症が起こるのか?

マラソン中の低ナトリウム血症は、主に以下の3つの要因が重なって発生する。

過剰な水分摂取:喉の渇きに任せて、あるいは「脱水が怖い」という思い込みから、必要以上に水を飲んでしまう。

ナトリウム喪失:汗には1リットルあたり約0.5〜2gの塩分が含まれる。大量の発汗でナトリウムが失われているのに、水だけを補給すると血液が希釈される。

腎臓の処理能力を超える:腎臓が排出できる水分量は1時間に約0.7〜1.0リットルが限界。これを超えると体内に水分が貯留し、ナトリウム濃度が下がる。

特に夏場のレースでは、気温や湿度が高いために発汗量が増え、さらに「熱中症予防」の意識から水を過剰に摂取しやすくなる。また、日本人は日常的に減塩を意識している人も多く、もともとナトリウム摂取量が少ない傾向があるため、リスクが高まる。

低ナトリウム血症の初期症状と危険サイン

低ナトリウム血症の症状は、ナトリウム濃度の低下度合いによって異なる。軽度のうちは見逃されやすいが、以下のような兆候に注意が必要だ。

軽度〜中等度の症状

頭痛

吐き気、嘔吐

倦怠感、だるさ

筋肉のけいれん

手足のむくみ(指輪やシューズがきつく感じる)

重度の症状(緊急受診が必要)

錯乱、見当識障害

けいれん

意識レベルの低下

呼吸困難

レース中に「なんだか頭がボーッとする」「吐き気がする」と感じたら、単なる疲労や熱中症と思い込まず、水分の摂りすぎを疑うことが大切だ。特に、給水を頻繁に行っているのに症状が改善しない場合は、すぐに医療スタッフに相談すべきである。

脱水と低ナトリウム血症の見分け方

脱水と低ナトリウム血症は、どちらも倦怠感や頭痛を引き起こすため、ランナー自身が判断するのは難しい。しかし、以下のポイントを参考にすると、ある程度の区別が可能だ。

| 症状 | 脱水 | 低ナトリウム血症 |

|——|——|——————|

| 喉の渇き | 強い | あまり感じないことも |

| 尿の色 | 濃い、量が少ない | 薄い、量が多い |

| 体重変化 | 減少 | 増加(水分貯留) |

| むくみ | なし | 手足、指輪の跡がつく |

| 体温 | 上昇しやすい | 正常〜やや低下 |

最も確実なのは、レース前後の体重変化をチェックすることだ。レース後に体重が増えている場合は、水分の摂りすぎが強く疑われる。練習段階から自分の発汗量と適切な補給量を把握しておくことが望ましい。

どれくらい飲んだら「飲みすぎ」なのか?

水の飲みすぎの基準は個人差が大きいが、一般的な目安として以下の数値が参考になる。

1時間に1リットル以上の水だけを継続的に飲むと、低ナトリウム血症のリスクが高まる。

腎臓の最大水分排泄能力は約0.7〜1.0リットル/時なので、それを超える摂取は危険。

一度に500ml以上の水をがぶ飲みする習慣も要注意。

アメリカスポーツ医学会(ACSM)の指針では、運動中の水分補給は15〜20分ごとに150〜250ml程度が推奨されている。これは1時間あたり450〜750mlに相当し、過剰摂取を防ぐ目安となる。

ただし、気温や湿度、走力、個人の発汗量によって適量は変わる。練習中に自分の発汗量を測定し、レース中の補給計画を立てることが重要だ。

正しい給水ペースと電解質補給の実践法

低ナトリウム血症を防ぐためには、水だけではなく電解質(特にナトリウム)を適切に補給することが欠かせない。以下に、レース中に実践できる具体的な方法をまとめる。

給水の基本ルール

喉の渇きに従う飲水(thirst-driven drinking)を基本とする。無理に飲まない。

給水所ではコップ1杯(150〜200ml)を目安に、それ以上は飲みすぎない。

15〜20分おきに少量ずつ摂る。

電解質補給のポイント

スポーツドリンクは糖分が多いため、ナトリウム濃度は意外に低い。過信は禁物。

経口補水液はナトリウム濃度が高く、脱水時には有効だが、常用には向かない。

塩タブレットや梅干し、味噌汁などでナトリウムを補給する。

0.1〜0.2%の食塩水を自作して携行する方法もある。

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レース前の準備

練習時に体重変化を記録し、自分の発汗量と適切な補給量を把握する。

レース前日から塩分を適度に摂り、水分を溜め込みすぎない。

当日朝は、水だけではなく、スポーツドリンクや塩分を含んだ食事を摂る。

スポーツドリンクと経口補水液の選び方

「水の代わりにスポーツドリンクを飲めば大丈夫」と思っているランナーも多いが、実は注意が必要だ。以下の表で違いを確認しよう。

| 種類 | ナトリウム濃度 | 糖分 | 主な用途 |

|——|—————-|——|———-|

| 水 | 0mg | 0g | 軽い運動、日常 |

| スポーツドリンク | 40〜80mg/100ml | 4〜8g/100ml | 運動中のエネルギー補給 |

| 経口補水液(OS-1等) | 115〜138mg/100ml | 2.5g/100ml | 脱水症の改善 |

| 自作食塩水(0.1〜0.2%) | 100〜200mg/100ml | 0g | マラソン中の塩分補給 |

スポーツドリンクは糖分が多く、胃腸に負担がかかることもある。また、ナトリウム濃度が低いため、大量に飲むと低ナトリウム血症のリスクが逆に高まる可能性も指摘されている。経口補水液はナトリウムが豊富だが、日常的なスポーツドリンク代わりに使うと塩分過多になる。レース中の補給には、水と塩分をバランスよく摂れるよう、複数の手段を組み合わせると良い。

レース中に注意すべきサインと対処法

レース中に以下のような症状が出たら、低ナトリウム血症を疑い、すぐに対処する必要がある。

手足や顔のむくみ(指輪がきつくなる、ソックスの跡が深く残る)

頭痛や吐き気が徐々に強くなる

ボーッとして思考がまとまらない

大量に水を飲んでいるのに尿が出ない、または逆に透明な尿が大量に出る

対処法

1. 直ちに水分摂取を中止する。

2. 塩タブレットや梅干しなどでナトリウムを補給する。

3. 医療スタッフに相談し、可能であれば体重測定を行う。

4. 重症の場合は、医療機関で点滴によるナトリウム補正が必要になる。

絶対にやってはいけないのは、「疲れたからもう少し水を飲もう」とさらに水分を摂ることだ。症状を悪化させ、命に関わる事態を招きかねない。

練習段階からできる予防策

低ナトリウム血症は、レース当日だけでなく、普段の練習から意識することで予防できる。

発汗量を把握する

練習前後の体重差から、自分の発汗量を計算する。例えば、1時間のランニングで体重が0.8kg減った場合、約800mlの水分が失われたことになる。この数値を基に、レース中の補給量を計画する。

塩分濃度の高い補給食を試す

塩タブレットや塩飴、スポーツようかんなど、ナトリウムを含む補給食を練習中に試し、胃腸の反応を確認しておく。レース当日に初めて使うのは避けたい。

給水所での飲み方を練習する

実際のレースを想定し、給水所と同じように立ち止まらずにコップから水を飲む練習をする。一気に飲まず、口を潤す程度で十分な場合もある。

体重変化を記録する

長距離練習の前後で体重を測り、増減を記録する。体重が増えている場合は明らかに飲みすぎなので、補給量を見直す。

よくある質問(FAQ)

マラソン中に水を全く飲まないのは危険ですか?

脱水症状を引き起こす可能性があるため、全く飲まないのも危険です。喉の渇きに応じて適量を補給することが大切です。特に暑い日は、脱水と低ナトリウム血症のバランスを取る必要があります。

スポーツドリンクを飲んでいても低ナトリウム血症になりますか?

はい、なります。スポーツドリンクのナトリウム濃度は血液より低いため、大量に飲むと血液が希釈されるリスクがあります。スポーツドリンクだけに頼らず、塩タブレットなどでナトリウムを追加補給するのが安全です。

レース中に塩を舐めるだけで大丈夫ですか?

塩だけを舐めると、水分が不足している場合は脱水が悪化する可能性があります。水分とセットで摂ることが基本です。また、塩分の摂りすぎも胃腸障害の原因になるため、適量を守りましょう。

低ナトリウム血症の症状が出た場合、自分で治せますか?

軽度の場合は水分摂取を中止し、塩分を補給することで改善することがあります。しかし、意識障害やけいれんなどの重い症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。自己判断は危険です。

レース前日に水をたくさん飲んでおくのは効果的ですか?

過剰な水分摂取は、レース前に低ナトリウム血症を引き起こすリスクがあります。喉の渇きに応じて飲み、尿の色が薄い黄色を保つ程度で十分です。前日から無理に大量の水を飲む必要はありません。

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まとめ:水と塩分のバランスがカギ

マラソン中の水分補給は、脱水を防ぐためだけでなく、飲みすぎによる低ナトリウム血症を避けるためにも、慎重に行う必要がある。重要なのは、「水だけ」ではなく「水とナトリウム」をセットで補給することだ。自分の発汗量を知り、喉の渇きに従いながら、適切なペースで電解質を含んだ水分を摂取する習慣を身につけよう。

特に暑いレースでは、つい水をがぶ飲みしたくなるが、それが命取りになることもある。給水所では一呼吸置き、本当に必要な量だけを口にする冷静さが求められる。練習から体重変化をチェックし、自分に合った補給計画を練っておくことが、安全で快適なマラソン完走への近道だ。

[紹介元] マラソン速報 マラソンで水を飲みすぎると危険で後悔しないために。走る前の確認ポイント
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