ジュニアゴルファーを10年以上取材してきた中で、ゴルフを始めたばかりの子どもたちが純粋に楽しんでいたはずなのに、親からの過度なプレッシャーや厳しい指導、さらには暴力によってゴルフをやめてしまい、親子関係まで破綻するケースがあることを目にしてきた。ゴルフにおける親と子の関係とはどうあるべきか、改めて考えてみたい。
親の指導は子どもにどう影響するのか ゴルフ界では、親の影響が子どものキャリアを左右することが多い。例えば、小浦和也プロは厳しい父の指導を受けながら、九州の競争激しい環境で成長してきた。家まで走って帰るスパルタ練習などが課されることもあったが、「逃げたいと思ったことはない」と振り返る。厳しい環境の中でも、父は息子の精神状態をよく見極め、適度なプレッシャーを与えることを意識していたという。
厳しさと愛情のバランスが鍵 親の指導がゴルフの成長につながることもあるが、それが行き過ぎると子どもがゴルフを嫌いになり、最悪の場合親子関係まで壊れてしまうこともある。一方で、小浦プロの父は「子どもをよく見ていた」と語り、厳しくする一方で限界を超えないよう注意していたという。その結果、小浦プロは「このくそ親父、今に見てろ!」という反骨心を持ちながら、ゴルフを続けることができた。
親子関係の重要性 スポーツに限らず、親子関係はコミュニケーションが鍵となる。小浦プロの父は「どこまでならやらせてもついてくるか、ラインを見極めていた」と話す。普段の会話や態度から、子どもの気持ちをくみ取ることができたからこそ、厳しい指導の中でも信頼関係を維持できた。
ゴルフを子どもにやらせる際、単なる「厳しさ」ではなく「愛情」と「コミュニケーション」が重要だ。子どもが楽しみながら続けられる環境を作ることが、スポーツを通じた健全な成長につながるのではないだろうか。
