【初心者必見】フルマラソン完走ガイド トレーニングから本番まで

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【初心者必見】フルマラソン完走ガイド トレーニングから本番まで
42.195kmを走りきる。想像しただけで膝が笑いそうになる距離です。でも、大丈夫。運動らしい運動を三十数年やってこなかった私でも、フィニッシュラインを越えることはできました。

きっかけは職場の上司の何気ない一言でした。「今年、市民マラソンに出るんだよね」と。その時私は34歳、喫煙者で、休日の過ごし方はもっぱら昼過ぎまで布団の中でスマホを眺める生活。駅の階段で息が上がる自分を「歳だから」で片付けていた頃です。

何かの弾みで「私も出てみます」と言ってしまい、後には引けなくなったのがすべての始まりでした。

ランニング・マンEmilia Jones

はじめに知っておいてほしいこと

市民マラソンの完走率は実はかなり高く、多くの大会で90%を超えます。制限時間も7時間や8時間といったゆるやかなものを選べば、早歩きより少し速いくらいのペースで十分ゴールできるんです。私が出場した大会も制限時間7時間。計算上はキロ10分ペース、ほぼウォーキングと変わりません。「走る」より「進む」ことができればいい。その事実にどれだけ救われたかわかりません。

私が味わった苦い失敗

勢いだけで申し込んだのはいいものの、何をどう準備すればいいのかさっぱりわからない。とりあえず近所のスポーツショップで見た目重視のランニングシューズを購入し、いきなり10km走ってみました。

結果、3日後には膝の外側が激痛で歩けなくなり、整形外科のお世話になるはめに。診断は腸脛靭帯炎、いわゆるランナー膝です。「急に距離を伸ばしすぎですね」と医師に苦笑いされました。これが一つ目の失敗。張り切りすぎると体は正直に壊れます。

もう一つの失敗は、レース当日のウェア選びです。真夏の練習で着古したコットンのTシャツを何の気なしに本番でも着用しました。スタートから10km地点、汗で張り付いた布が脇の下を擦り、とんでもない摩擦で出血。エイドでワセリンをもらいましたが時すでに遅し。ゴール後にシャワーを浴びた瞬間、飛び上がるほどのしみる痛みを味わいました。化学繊維の速乾性インナーがなぜ必要なのか、身をもって理解した瞬間です。

私が完走をつかんだ方法

失敗から学び、計画を立て直しました。トレーニングを始める前にまずやったのは、正しいシューズを買うこと。ランニング専門店で足型を測定してもらい、クッション性の高い一足を選びました。アシックスのGEL-CUMULUSというモデルで、履いた瞬間に「あ、これなら走れるかも」と感じたのを覚えています。初心者はデザインより機能です。クッションと安定性を最優先にしてください。サイズは普段の靴より1cm大きめ。長時間走ると足がむくむので、つま先に指一本分の余裕があるのが正解です。

練習で一番効果を感じたのは、歩きから始めるという地味なアプローチ。最初の1ヶ月は30分のウォーキングを週3回。これだけで心肺機能が少しずつ戻ってくるのを実感しました。2ヶ月目からは「おしゃべりできる速さ」で5kmのスロージョグを開始。息が上がらないペースを徹底したことで、嫌になることなく続けられました。苦しい練習は三日坊主で終わります。楽しく続けられることが何よりの近道だと、今なら断言できます。

3ヶ月目に入り、20km走に挑戦した日。途中でどうしても足が前に出なくなり、歩きを交えながら2時間半かけて何とか完走。この時点で「本当に42.195kmなんて走れるのか」と本気で不安になりました。でも、大会までの残り1ヶ月で30km走を2回実施。いずれも後半は歩きが入りましたが、ここで得た「歩いてもいいんだ」という確信が、本番で私を救うことになります。

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本番当日のリアルな体験

スタート地点に立ったときの高揚感は、正直なところ一瞬で消えました。周りのランナーがどんどん抜いていく焦り。でもここで自分に言い聞かせました。「これは自分との勝負だ」と。

序盤15kmまではキロ7分半のスローペースを守り、エイドステーションでは必ず立ち止まって給水。バナナや飴などの差し入れを口にし、一息ついてから走り出す。この「立ち止まる勇気」が後半に響いてきます。走りながら飲み食いするランナーも多いですが、初心者は素直に止まったほうが無難です。気管に入ってむせるリスクもありますから。

25km地点。ここで初めての異変。左ふくらはぎがつりそうな予感が走りました。慌てて歩きに切り替え、持参した塩タブレットを舐めて様子を見る。1kmほど歩いたら不思議と痛みは引き、「ここで無理しなくてよかった」と胸を撫で下ろしました。30kmの壁より先に、25kmあたりにも小さな壁が潜んでいる。これは実際に走ってみて初めてわかったことです。

30kmを過ぎたあたりから、完走できる確信が湧いてきました。驚いたことに、それまでは景色や沿道の応援を楽しむ余裕はゼロだったのに、なぜかこのあたりで「楽しいかも」と思えたんです。応援してくれる見知らぬ人たちとハイタッチする元気まで出てきました。ボランティアの中学生が差し出してくれたスポンジで顔を拭いたときの気持ちよさ。あの瞬間は今でも鮮明に覚えています。

40km地点。足は棒のようで、時計を見る気力も残っていませんでした。でも、沿道から「あとちょっとだよ!」という声が聞こえて、目頭がじんわり熱くなった。恥ずかしながら、涙が出そうになったのはこの時です。

そしてフィニッシュライン。タイムは5時間48分。速くはない。でも確かに42.195kmを自分の脚で踏破した事実が、これまでの自信のなさを全部吹き飛ばしてくれました。ゴール後にもらった完走メダルの重みと、無償で配られる味噌汁のしみる味。あれ以上のごちそうを私は知りません。

これだけは気をつけてほしいこと

まず、痛みを我慢しないこと。練習中に違和感を感じたら即中止です。「あと少し」が取り返しのつかない故障につながります。私はランナー膝の経験から、少しでも膝に違和感があればアイシングして休むルールを徹底しました。週間走行距離の増加は前週比10%以内に抑える。これ医学的にも推奨されている数値で、守らないと体を壊します。

シューズの寿命にも注意が必要です。見た目は綺麗でも、クッションは800km走行でへたると言われています。私はケチって履き続け、足底筋膜炎を発症しました。痛くて朝一番に床に足をつけられない、あの苦しさは二度とごめんです。

食事面では、レース3日前から意識的にご飯やパスタなどの糖質を多めに摂る「カーボローディング」が効果的でした。当日の朝食はコンビニのおにぎり2個とバナナ1本。スタート3時間前には食べ終えておきます。胃に食べ物が残っていると途中で気持ち悪くなりますし、エネルギー切れも避けたい絶妙なバランスです。エイドで配られる補給食は有効ですが、練習で一度試したものだけを口にするようにしましょう。私は本番で初めてのジェルに挑戦し、胃がびっくりしてリタイアしかけたことがあります。新しいことは本番でやらない。これ鉄則です。

向いている人、向いていない人

フルマラソンは、地道な積み重ねを楽しめる人に向いています。毎週少しずつ距離が伸びる嬉しさ、前回より楽に走れるようになる感覚を「楽しい」と思えるなら、きっと最後まで続けられます。

逆に、即効性を求める人、痛みや疲労を無視しがちな人にはおすすめできません。故障して終わるのがオチです。あと、これは意外かもしれませんが、完璧主義の人も危険です。「絶対に歩かない」と決め込むと、かえって体を壊したり、途中で心が折れたりします。歩くことは敗北じゃない。完走のための立派な戦略の一つです。

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最後に伝えたいこと

マラソンは苦しい時間のほうが長い競技です。でも、それを差し引いても余りある何かがフィニッシュラインの先にあります。練習を重ねた自分の脚だけを信じて、一歩ずつ進んだ先にだけ見える景色。それは誰にも奪えない、自分だけの勲章です。

スタートラインに立つまでが一番大変かもしれません。でも、立ってしまえばあとは前に進むだけ。あなたの42.195kmが、かけがえのない時間になりますように。いつかどこかの大会で、同じ空気を共有できる日を楽しみにしています。

[紹介元] マラソン速報 【初心者必見】フルマラソン完走ガイド トレーニングから本番まで
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