2026年鹿児島マラソン実走レポ!感動と苦闘の42.195km

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2026年鹿児島マラソン実走レポ!感動と苦闘の42.195km
「ただいま!」って叫びながら、フィニッシュゲートをくぐった。鹿児島市役所前の電光掲示板には4時間18分52秒の文字。タイムは平凡かもしれない。でも、この日ばかりは自分がちょっとした英雄になった気分だった。沿道から差し出された手を握り返し、係員から首に下げてもらった完走メダルを何度も撫でた。3月の鹿児島は、こんなにも温かい。

ランニング・マンEmilia Jones

2026年鹿児島マラソン実走レポ!感動と苦闘の42.19の要点

鹿児島マラソンと聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのは桜島だ。スタート地点に立つと、錦江湾の向こうにどっしりと構えるその姿が見える。噴煙が風に流れる様子を眺めながら、「この景色を見ながら走れるなんて、なんて贅沢な大会なんだ」と胸が躍った。でも、本当のドラマはそのあとに待っていた。

スタートの号砲が鳴ったのは午前8時半。私が並んだDブロックは号砲から4分ほどでスタートラインを通過した。ドルフィンポート跡地前を出発し、まずは鹿児島の中心市街地を抜ける。初めて走る街並みは新鮮で、天文館のアーケードに差し掛かると応援の熱気が一気に跳ね上がった。「がんばれー!」の声にハイタッチで応えながら、まだまだ余裕の6分半ペース。最初の5kmは祭り気分そのものだった。

勝負どころは10kmを過ぎたあたりから訪れる。海岸線の国道10号に入ると、それまでの平坦な市街地とは打って変わって、細かなアップダウンが延々と続く。公式サイトには「高低差約20m」と書いてあったから油断していた。でも、この「細かな」というのが曲者で、数十メートルごとにふわっと登り、ストンと下る。まるで緩やかな波の上を走っているようで、リズムがつかみにくい。特に右側に傾斜したバンクが足首と膝にじわじわと負担をかけてくる。仲間内では「鹿児島マラソンは後半勝負」と言われていた理由が、身に染みてわかった。

折り返しの重富までは海風が心地よく、2月の故障明けで練習不足だった私にも希望をくれた。給水所で配られるおはぎやそば、きびなごの唐揚げといった鹿児島ならではのエイドが腹の足しになり、沿道の子どもたちが差し出す手作りの梅干しに元気をもらった。なかでも印象的だったのは、通過する特急列車から聞こえた汽笛だ。線路沿いを走っていると、タイミングよく特急が通りかかり、運転士が短くホーンを鳴らしてくれた。沿道だけでなく、電車からも船からも応援が飛んでくる。この街全体がランナーを歓迎している空気が、全身に染み渡った。

だが、30kmの壁は鹿児島にも存在した。姶良市で折り返してからの帰路は、それまで向かい風だったはずの風がなぜかまた向かい風に感じられ、気力が削られる。脚はすでにパンパンで、さっきまで楽しかった景色を見る余裕もない。国道10号の風景は往復コースなので代わり映えせず、「まだここか」と心が折れかけた。そんなとき、沿道に「あと少し! ラーメン食べに行こう!」と書かれた手作りのボードを見つけ、思わず笑ってしまった。鹿児島ラーメンのとんこつスープが頭に浮かび、不思議とペースが戻ったのだ。

35km地点でついに脚が止まった。事前情報で「30km以降は細かな起伏にやられる」と聞いてはいたが、ここまで消耗するとは思っていなかった。ふくらはぎが攣りそうになり、歩幅を狭めてしのぐ。周囲を見渡すと、同じように歩き出すランナーがちらほらいる。給水所のボランティアが「ゆっくりで大丈夫ですよ」と声をかけながらスポンジを手渡してくれた。あの一言に、どれだけ救われただろう。

最終盤、鹿児島市街地へ戻ると再び応援の数が増えた。「おかえりなさーい!」という声が本当に温かくて、自然と涙がにじむ。西郷隆盛像の前を通過し、ラスト1kmは不思議と痛みを感じなかった。フィニッシュ後、おもてなし広場で振る舞われた焼酎の水割りとさつま揚げの味は、この先ずっと忘れないだろう。

鹿児島マラソンで困った点を正直に挙げるなら、まず更衣室の混雑だ。スタート前のドルフィンポート周辺は大混雑で、着替えを済ませるのにかなり並んだ。また、桜島の火山灰も想定外だった。当日は風向きが幸いして影響は少なかったが、前日まで降灰があり、アレルギー体質の私はのどに違和感を覚えた。マスクを持参すればよかったと後悔した。宿泊に関しても、天文館や鹿児島中央駅周辺のホテルはエントリー開始直後に埋まってしまうので、早めの手配が必須だ。私は運よくスタート地点まで徒歩圏内のビジネスホテルを押さえられたが、なかには姶良市方面に宿を取って当日朝に電車移動したランナー仲間もいた。

この大会は、ズバリ「旅ラン」を楽しみたい人に向いている。タイムを狙うよりも、鹿児島の風土や人情をまるごと味わいたい人には最高の舞台だ。エイドの充実ぶり、沿道の熱量、フィニッシュ後のおもてなしは全国屈指と言っていい。ただ、フラットコースで自己ベストを出したい人には、国道10号の見えないアップダウンとバンクがストレスになるかもしれない。また、7時間の制限時間は比較的緩やかだが、6時間40分以内に完走しないと公認記録として認められない点には注意が必要だ。私のように故障明けで練習不足でも、エイドや応援を存分に楽しみながら走る戦略なら、十分に完走は狙える。

荷物預けはスムーズで、手荷物返却時の拍手にも胸が熱くなった。温泉入浴券と仙巌園の無料券はレース前日にしっかり使わせてもらい、島津家の歴史と桜島の借景を堪能した。これが参加賞に含まれているのは本当に太っ腹だと思う。

最後に伝えたいのは、鹿児島マラソンは走るだけの大会じゃないということだ。この街は、訪れるランナーを全力で肯定し、迎え入れ、そして送り出してくれる。42.195kmの道のりには確かに苦しさもあるけれど、それを上回る人の温かさがある。もし迷っているなら、一歩踏み出してほしい。桜島が見守るあのコースで、あなたもきっと「ただいま」と言いたくなるから。

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[紹介元] マラソン速報 2026年鹿児島マラソン実走レポ!感動と苦闘の42.195km
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