びわ湖マラソン2026完全ガイド|初心者も楽しめるフラットコースの魅力と体験レポ

スポンサーリンク
びわ湖マラソン2026完全ガイド|初心者も楽しめるフラットコースの魅力と体験レポ
雪の比良山を背に、スタート地点へ

3月8日、午前7時前。JR大津京駅の改札を抜けると、すでに細身のランナーたちで構内はごった返していた。吐く息が白い。気温は4℃。手元のスマホを確認すると湿度70%、微風。マラソン日和という表現がこれほどしっくりくる朝はなかなかない。駅から皇子山陸上競技場までは歩いて6分ほど。誘導のボランティアが「おはようございます、頑張ってくださいね」と頭を下げてくれる。その一声で、腹の底がきゅっと引き締まった。

びわ湖マラソンはもともと「びわ湖毎日マラソン」として、日本の男子長距離界を支えてきた由緒あるレースだ。それが2023年に市民マラソンとして生まれ変わり、いまでは7000人規模のランナーが集う人気大会になっている。かくいう私も旧大会時代のテレビ中継に見入っていたひとりで、この地を走ることにずっと憧れていた。

スタートブロックはSからDまで4段階。私はCブロックからの出走だった。まわりのランナーの表情を見ていると、ガチ勢もいれば、初フルマラソンらしき若いカップル、60代と思しきベテランまで実にさまざまだ。大津市長のカウントダウンで9時ちょうどに号砲。ゆっくりと流れ出した。

ランニング・マンEmilia Jones

フラット基調のコースと、隠れたアップダウン

最初の1キロは競技場のトラックを半周してから一般道へ出る。ここで無理に飛ばすランナーを横目に、私はキロ5分半を刻む作戦。というのも、ネットの攻略記事で「細かいアップダウンがある」と読んでいたからだ。実際に走ってみると、たしかに「フラット基調」と聞いて想像するようなパンケーキみたいな平坦さではない。ゆるやかな上りが数十メートル続いたかと思うと、下りに転じる。脚へのダメージは小刻みに蓄積されていく感覚で、旧大会の経験者が「高速コースでありながら終盤の向かい風がきつい」と言っていた意味を、後半で身をもって知ることになる。

10キロを過ぎるあたりから琵琶湖が右手に広がった。比良山系の山々にはまだ雪が残っていて、湖畔の寒々とした空気とあいまって風景全体が水墨画のように美しい。この景色を見られただけでエントリーしてよかったと心から思った。

15km、メロン街道の折り返しで得た勇気

コース最大の折り返しが15キロ付近の「メロン街道」だ。ここは対面走行になるため、すでに折り返したランナーたちとすれ違う。先頭集団のスピードといったら、風を切り裂くような迫力で、思わず「うおっ」と声が漏れた。そのなかに女子ランナーの姿もちらほら見え、男女問わず力走する姿にぐっと胸が熱くなる。自分もあっち側へ行くんだと思うと自然にピッチが上がった。

折り返してしばらくすると、こんどは湖岸道路の直線が延々と続く。ここで感じたのが、噂の「比良おろし」だ。正面から吹きつける風が想像以上に強く、さっきまで快調だったペースが急に重くなる。帽子を飛ばされそうになりながら、腕を小さく振るフォームに切り替えた。旧大会を知るランナーがネットで「30キロ手前の平津からが勝負」と書いていたが、まさにその通りの展開だった。

ランニング ポーチ 【日本代表ランナー監修】 ウエスト バッグ 揺れない 軽量 大容量 伸縮 スマホ ボディバッグ ユニセックス ジョギング ウォーキング (2つ口, ブラック)IkucheL

滋賀ならではの給食エイドに救われる

この大会の楽しみのひとつが、なんといっても給食だ。給水ポイントごとに地元の特産品が並び、ただの補給では終わらない。25キロすぎのエイドで出てきた近江牛のローストビーフは、口に入れた瞬間に脂の甘みが広がって「あともう5キロは走れる」と思えた。ほかにも湖魚の佃煮をのせたおにぎり、サラダパン、それと地元の農協が提供する「イチゴグミ」が妙にうまくて、つい二つ手に取ってしまった。噂の走り井餅はあいにく食べ損ねたけれど、そのかわりにいただいた冷たい麦茶がありがたかった。沿道の子どもたちが「おにいさん、がんばって!」と手を振ってくれる姿に、気づけば涙がにじんでいた。

ラストの坂と、忘れられない豚汁

35キロを過ぎてからが、本当の勝負だった。脚はすでに売り切れ寸前で、鵠沼(くげぬま)あたりのゆるい坂ですら壁に感じる。頭では「あと7キロ」とわかっていても、体はもう言うことを聞かない。まわりのランナーも大半が歩きそうになるのを必死にこらえている様子で、互いに無言のエールを送りあっているようだった。ここで思い出したのが、沿道の方が差し出してくれた「赤こんにゃく」だ。一口かじるとピリ辛の味が口に広がり、不思議とシャキッとした。

ラスト1キロ、烏丸半島のフィニッシュゲートが見えたときは、本当に泣きそうになった。残り300メートルで最後のわずかな上り坂。もうフォームもへったくれもなく、ただ腕を振って駆け抜ける。ゴールの瞬間、係の方が完走メダルをかけてくれて、「お疲れさまでした」と肩を叩かれた。タイムは3時間55分20秒。目標のサブ4をぎりぎり達成できた。

その後に待っていたのが、自衛隊による豚汁のふるまいだ。具だくさんで味噌の香りが立ちのぼる汁をすすると、冷え切った体にじんわりしみわたった。これが無料だなんて信じられない。芝生に腰を下ろし、比叡山をぼんやり眺めながら味わった豚汁のうまさは、一生忘れないと思う。

大会の困った点・注意点を見直して

もちろん、完璧な大会かといえば、いくつか気になる点もあった。まず駐車場がないため、公共交通機関の利用が必須となる。JR大津京駅や京阪大津京駅から会場までは徒歩数分でアクセスは良好だが、それでも遠方からの参加者は宿泊が必要になる。雄琴温泉にはいい宿がたくさんあるものの、レース前日はどこも予約が取りづらい。私は2か月前に確保したが、それでも希望の旅館は満室だった。

またフィニッシュ後の帰り道も混雑が避けられない。烏丸半島から守山駅や草津駅行きの無料シャトルバスが出ているが、道路の混み具合によっては乗車まで40分以上待つこともあると聞く。私は幸い待ち時間20分ほどですんだが、寒風のなか立っているのはこたえた。着替えの防寒着を多めに持っていくことを強くおすすめしたい。

加えてコースの終盤は前述のとおり向かい風が強く、気温が低いだけに体感温度がぐっと下がる。ペース配分に余裕がないと、35キロ以降で一気に失速する可能性がある。記録を狙うランナーは、後半ややネガティブスプリット気味に走るくらいの心づもりでちょうどいいかもしれない。

[UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)]UA Tech 2.0 SS Tee Mens メンズ 100 日本 MD (日本サイズM相当)UNDER ARMOUR2019-06-07

どんな人に向いているか

この大会は、圧倒的に初心者におすすめできる。制限時間が6時間あり、完走率94.4%という数字がその敷居の低さを物語っている。フラット基調のコースだから、最初のフルマラソンに挑戦するランナーには格好の舞台だろう。私自身、沿道のボランティア約2500人のあたたかい声援に背中を押され続けた。道を間違える心配もほぼなく、給水所の配置も行き届いているため、安心して走りに集中できた。

一方で、シリアスランナーにとっても魅力は十分だ。旧大会時代からの伝統をもつ公認コースであり、ネットタイムで記録を狙える。風が強い点を除けば、都市型マラソンのような混雑もなく、比較的ストレスなく自分のペースを刻める。私も次回は3時間半を切るつもりで走りたいと考えている。

レース後には雄琴温泉で疲れを癒やすのが最高の締めくくりになる。湯元館の最上階露天風呂「月心の湯」に浸かりながら、「来年もまた来よう」と本気で思った。2026年大会ではTシャツやスポーティリュックなど選べる参加賞が追加され、ニックネーム入りのゼッケンも選べるというから、楽しみはますます広がっている。滋賀のうまいもの、温泉、そして琵琶湖の絶景。ランナーなら一度は経験しておいて損はない大会だと思う。

[紹介元] マラソン速報 びわ湖マラソン2026完全ガイド|初心者も楽しめるフラットコースの魅力と体験レポ
スポンサーリンク