伊藤園レディス 初日 レポート
大会初日、苦悩と涙のスタート
<伊藤園レディス 初日◇8日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6769ヤード・パー72>
今季限りでのツアー休止を発表し、注目を集める中、上田桃子(うえだ・ももこ)選手が苦悩に満ちた初日を迎えました。会見での発表直後、一日のプレーを振り返りながら、その悔しさを抑えきれず涙を流しました。
苦しい展開と応援に応えたい気持ち
大山志保(おおやま・しほ)選手も2年5カ月ぶりにツアー復帰し、観客からの声援が一層響く今大会。上田選手は、「集中力が出せませんでした。準備はしっかりできていたけれど、朝から集中が欠けていました」と語り、悔しさをにじませました。特に「応援してもらってるのが心苦しかった」とし、応援に応えるプレーで感謝の気持ちを示したい思いが強かったのです。
一時の好調と失われたチャンス
5番ホールのパー5では、残り215ヤードの2打目を3番ウッドでグリーンに乗せ、バーディを取って好調なスタートを切りました。しかしその後、バーディを取ってもボギーで失い、苦しい展開が続きました。結果は「72」のパープレーで、イーブンパーの62位タイ。「攻めたいのに攻め切れなかった」「もっといけるはずなのに」と、攻めの姿勢を貫けなかったことへの悔しさが募ります。
ツアー休止発表後の初ラウンド
ツアー休止を発表してからの初ラウンドは、上田選手にとって特別なものでした。「感謝の気持ちを込めて一日を回り、自分らしいゴルフを見せたかった」と語りつつも、「感謝の気持ちはあっても攻め切れなかった」と声を震わせます。「自分のゴルフを見せたいのに見せられないことがフラストレーション」と、溢れ出る涙が言葉になりました。
シーズン最終戦への希望と葛藤
今季はまだ優勝がなく、メルセデス・ランキングは45位。現在決まっている試合は今大会と来週の「大王製紙エリエールレディス」の2試合のみで、シーズン最終戦の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に出場するには結果を出さなければなりません。「リコーに行きたいという自分と、自分らしいゴルフを見せたい自分がいる」という葛藤が、上田選手の胸を占めています。
涙の裏にある強い意志
取材の最後には、涙を拭いながら「こんなキャラじゃないのに~」と笑顔を見せ、「泣いてませんからね!」と場を和ませました。「湿っぽいわけではないです。集中力が出なかったのが攻め切れなかった要因です」と語り、再び闘志を燃やしています。翌日のラウンドに向け、力強いプレーで観客に応えたいという意志を示しました。