パリ五輪ゴルフ最終日:山下美夢有(やました みゆう)の挑戦
1. メダル圏内への浮上
パリ五輪最終日、ル・ゴルフナショナルでの激戦が繰り広げられました。山下美夢有(やました みゆう)選手は、14番と15番ホールで連続バーディを奪い、トータル7アンダーのスコアで2位タイに浮上。メダル圏内に再び返り咲き、首位のリディア・コ(ニュージーランド)選手との差をわずか2打に縮めました。この展開により、山下選手は金メダル獲得の期待を抱かせました。
2. 悪夢の16番ホール
しかし、その直後、山下選手にとっての「悪夢」が16番ホールで訪れます。実測146ヤードのパー3で、ティショットがグリーン手前の池に捕まり、ボギーを避けられませんでした。この一打により、再び順位を落とし、メダル圏外に後退することとなりました。「9番と16番でのダブルボギーが悔やまれる結果となり、特に16番のショットは非常に悔しい」と山下選手は振り返ります。
3. 安定しなかったショット
山下選手は、首位と2打差でスタートを切り、2番ホールでバーディを奪いトップに並びました。しかし、その後はショットの安定感を欠き、思うようにチャンスを作れませんでした。フェアウェイキープ率は71.43%を維持したものの、パーオン率は55.56%と4日間で最も低い数値を記録しました。これにより、6番、7番ホールでの連続ボギーや、9番ホールでのダブルボギーが響き、一進一退の展開となりました。
4. 初めての五輪の経験
とはいえ、山下選手にとって初めてのオリンピックで、最後までメダルを争う位置で戦えたことは大きな財産となりました。「非常に緊張感がありましたが、楽しんでプレーできました。この悔しい結果を次に生かせるよう、しっかりと準備をしていきたい」と語っています。次回のオリンピックは2028年、ロサンゼルス大会で27歳を迎える山下選手にとって、今回の経験が大きなステップとなるでしょう。
5. 池が絡む難コースでの苦戦
ル・ゴルフナショナルは、池が絡む難コースとして知られ、多くの選手が苦戦を強いられました。山下選手もその一人で、メダルに手が届きそうで届かない展開に涙を呑みました。しかし、日本のゴルフ界の女王として、その力を世界に示すことができました。「最近は調子が上がらず苦しい状況が続いていましたが、やっとこのオリンピックで自分らしいプレーができました」と自信を取り戻した山下選手。今後の戦いに向けて、この4日間が貴重な経験となったことは間違いありません。
6. 次へのステップ
山下選手は「自信につながるショットも多くありました。それをプラスに考え、足りない部分を練習して次に生かしたい」と前向きなコメントを残しています。あと一打がメダルに結びつく可能性があっただけに、その「誤差」を埋めるために、今後のクラブを振る姿が想像できます。最終18番ホールでの2オン成功からのイーグルパットなど、最後まで見る者の期待を裏切らないプレーを見せた山下選手。次回のオリンピックでは、この経験を生かし、更なる飛躍が期待されます。