キールはブンデスリーガ2部にて、残り2試合時点で勝ち点64の首位に立っている。2位・ザンクトパウリが勝ち点63、3位・デュッセルドルフが勝ち点59 で続く。日本時間11日27:30キックオフの第33節ではデュッセルドルフとの対戦が控えており、引き分け以上なら2位以上での自動昇格が確定する。現地で“シュートマシーン”との愛称でも親しまれる町野に、この大一番に向けて話を聞いた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/12ef585f62d397a85b926753cf93ba5e7721350d
「W杯メンバーが日本から来る」という期待
🎙️独占インタビュー🇩🇪
「目標は昇格、優勝」が笑われた開幕前。#町野修斗、#キール の歴史を変える大一番へ。
✅「W杯メンバーが日本から来る」と期待された
✅1分毎に乱闘が入るような練習試合に衝撃— GOAL Japan (@GoalJP_Official) May 11, 2024
駆け上がれる階段をもう一気にすべて駆け上がったような感じでした。大事な時に点を取れましたし、(日本代表)招集前にも湘南で結果が残せたので、(22年7月の)E-1(EAFF E-1サッカー選手権)に繋がりました。E-1では3得点ですけど得点王になれたというのは 非常に大きかったです。
でも、その次に招集された(9月の)ドイツ遠征のアメリカ戦で、世界の壁にぶち当たりました。そこで結果が残せればよかったんですけど、壁にぶち当たって。ですが、また湘南に戻って 再び結果を残せていたことがW杯に繋がったのだと思います。
―キャリアの中では大きな決断を繰り返してきましたが、大事にしていることはありますか?
僕のことをどれだけ必要としてくれているかをまず重要視します。あとは(自分を求めてくれた)監督が変わらないということも確認します。もちろん、チームの狙いや戦い方は移籍前にある程度把握はしますが、やはり監督やフロント、強化部のかたの熱量を大切にしてきました。
―キール移籍後は序盤のリーグ戦4試合で2ゴール2アシスト。加入直後の感触はいかがでしたか?
「ドイツに勝ったW杯メンバーが日本から来る」というので、(自分はW杯に)出場していないにしろ、かなり期待されていました。当初はかなり言われました。ただ、最初は言葉があまり喋れなかったので、プレーで認められるように頑張らないといけないと思って戦っていました。
―渡独直後は不安もあったかと思いますが、支えてくれた人物はいましたか?
僕が今活躍できているのは妻の食事、プライベートの心の支えがとても大きいです。また、キールに今年の冬に来た日本人アナリストの佐藤孝大さんの存在が大きいです。チームミーティングの際には、通訳としていつも横にいてくれて、細かい戦術なども理解できます。ホルシュタイン・キールというチームは、みんな本当にチーム第一で、人間的にも素晴らしい選手が揃っています。スタッフもそうですけど、チームメイトに助けてもらっています。
―順応で困ったことは?
やはり言葉の壁はありました。秋ごろに控えが多くなったり、出場時間が短くなったりした時は、コミュニケーションの壁にもあらためてぶち当たりました。結果で信頼は得られると思って努力していたのですが、その時はシュートのフィーリングもプレーのフィーリングも微妙という感じでした。
―Jリーグとの違いは感じましたか?
守備の面で、日本だと(FWが)ボールを限定して後ろが取ってくれればという考えが基本的にあると思いますが、(キールでは)「ボールを見るな」とよく言われています。「奪いに行く守備」という点では、僕がボールを持っている時にも、守備をしている時にも(違いを)感じます。また、試合を観ていて分かると思いますが、激しいタックルは普通なので、ある程度想像していましたがやはり違うなという部分はありました。
―最初は驚きもありましたか?
初めての練習試合がハノーファーで、僕は出ていなくて外で見ていましたが、すごい削り合いでした。もう1分に1回、乱闘が入るような練習試合を見た時に「こんなところでやらなあかんねんや」と衝撃を受けました。
―キールは残り2試合時点で首位。次戦で3位のデュッセルドルフと引き分け以上なら自動昇格が決まります。チームの雰囲気はいかがですか?
良い方向に進んでいると思います。僕は優勝してタイトルが獲りたいですが、まずは昇格。次の試合で決まるので、(大事なのは目の前の)一戦一戦というのは間違いないと思います。
―デュッセルドルフには田中碧選手などが所属していますが、意識することはありますか?
個人同士というよりは、やっぱりチーム同士がお互いに良い位置につけている中での大一番なので。個人としては(田中)碧選手に対しては(特別意識することは)あまりありません。(デュッセルドルフには)内野貴史選手やアペルカンプ真大選手もいて、楽しみではあります。
―キールは昇格すれば初の1部。チームとして、当初からそこを目標にしていましたか?
トレーニングキャンプに参加した時に、5グループぐらいの小グループを組んでミーティングみたいなものがありました。今後の目標について意見を出し合って、最後に代表者の5人がチームミーティングで喋ったんです。その時に「修斗の 今年の目標は?」と聞かれた時に「昇格、優勝」と言いましたけど、みんな笑っていて。「それはもちろんだけど、まずは40ポイントに1試合でも早く到達する」ということがチームで出た答えでした。でも、今まさに僕が言ったことが現実になりそうなので、「言っただろ」って言いたいです。
―現地では町野修斗(Shuto Machino)をもじって“シュートマシーン(Shoot Machine)”という愛称でも親しまれているとお聞きしました。
ありがたいですね。歴史的なチャンスなので、この大一番ですべてをもっていきたいと思います。
―最後に、日本のファンの方々へのメッセージをお願いします。
ホルシュタイン・キールというチームはブンデスリーガになってから1部に上がったことがないチームです。それが残り2節で1位にいます。来年ブンデスでできれば僕のプレーを皆さんに見てもらえるチャンスが高くなると思うので、絶対に昇格、優勝したいです。それは日本の皆さんにプレーを届けるためでもあるので、ぜひ応援してほしいと思っています。